10年間、歯ぐきと認知症をどうやって見比べた?

歯ぐきの状態は、調べ始めたときと、その5年後の2つの時点で調べられました。
歯ぐきの状態は、何年もたつうちに良くなったり悪くなったりします。
最初の1回だけで人を分けると、その途中の変化を見落としてしまうかもしれません。
そこで研究チームは、2つのやり方で計算しました。
1つは、最初に調べた歯ぐきの状態で人を分け、その後10年の認知症のなりやすさを比べるやり方です。
もう1つは、5年後に調べ直した歯ぐきの状態も取り入れて、途中の変化も計算に入れるやり方です。
どちらのやり方でも、認知症全体については似たようなつながりが見えました。
グループの分け方にも決まりがあります。
歯周ポケット(歯と歯ぐきのすき間)の深さ、歯ぐきの下がり具合、器具で探ったときに血が出た場所の割合という3つの値それぞれについて、参加者を良い順に並べ、人数が同じくらいになるように4つのグループに分けました。
そして、いちばん良いグループを基準にして、ほかのグループのなりやすさを比べたのです。
その結果、すき間の深さ、歯ぐきの下がり具合、血の出やすさのどれでも、悪いグループになるほど認知症のなりやすさが上がっていく傾向が、統計的にはっきり出ました。
ただ、すべての結果がはっきりしていたわけではありません。
すき間が深いほど血管性認知症になりやすい、という傾向も見えましたが、こちらは「そういう傾向がある」という段階にとどまりました。
サイエンスアラートの記事は、この点について1つ注意をうながしています。
認知症全体では267人いたのに、血管性認知症の人は51人しかいませんでした。
人数が少ないと、はっきりしたことは言いにくくなります。
そのため、認知症のタイプによって歯ぐきの状態との関わり方がなぜ違うのかは、読み取りにくいというのです。
つまり今回分かったのは、「歯ぐきの状態が悪い人には、10年のうちに認知症になった人が多かった」という事実です。
では、その事実の裏で何が起きているのか、という話に進みます。


























