「片側から当てるだけ」で、40cm先に浮かべる

物に触れないので、壊れやすい試料や汚したくない試料、危ない材料を扱うのに向いています。
ただ、これまでの主流は、向かい合う音源や反射板の間に物を挟み込む方式でした。
そのため、装置に囲まれた空間の中でしか物を扱えませんでした。
囲いのいらない、片側から音を当てる方式もあります。
ところがこちらは、音源のすぐそばでしか物を支えられませんでした。
筑波大学の研究チームは、この片側方式で、音源から約40cm離れた空中に球を浮かせました。
届く距離は、従来の約6倍にあたります。
浮かせたのは、発泡スチロール(発泡ポリスチレン)でできた直径1.5mmの球。
音源から離れた空中で、小さな球がじっと浮かぶ。
そのまま、空中で立体的に動かすこともできました。
球1つだけではありません。複数の物体も、丸くない物体も浮かせられました。
途中に障害物があっても、その先で浮かせられたそうです。

このような浮かせ方は理論で予測されていましたが、空中で実際に示したのは今回が初めてです。
音源の近くでしか支えられなかった片側方式が、なぜ急に遠くまで届いたのでしょうか。
先に言ってしまうと鍵は、物を捕まえる場所を、音の「静かな点」から「強い芯」に変えたことです。
ただ、それでなぜ遠くまで届くのかは、少し説明が要ります。


























