「生きた薬」を1回点滴しただけで骨粗鬆症患者の骨折が94%減――スカスカの内側が埋まり始めていた
「生きた薬」を1回点滴しただけで骨粗鬆症患者の骨折が94%減――スカスカの内側が埋まり始めていた / Credit:Canva
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「生きた薬」を1回点滴しただけで骨粗鬆症患者の骨折が94%減――スカスカの内側が埋まり始めていた

2026.09.18 21:00:05 Friday

スペインのムルシア大学(UM)などで行われた研究によって、骨粗鬆症が進んだ患者に、自分の体から取り出した幹細胞を調節して1回だけ点滴したところ、その後2年間の骨折が94%減っていたことが明らかになりました。

骨を作り直す力を持つ幹細胞の存在は前から知られていましたが、血管に流しても骨の奥までたどり着けないことが長年の弱点でした。

しかし新たな研究ではこの幹細胞に「骨髄行き」という信号を上手く加えることで、この問題を解決しました。

研究者らは、1回の投与のあとも骨を作る反応が続いたことから、この調節を行った幹細胞を「生きた薬」と呼んでいます。

しかし、たった1度の点滴が、なぜ何年も効き続けるのでしょうか?

研究内容の詳細は2026年9月11日に『Cell』にて発表されました。

Glycocalyx-edited mesenchymal stem/stromal cell therapy in advanced osteoporosis https://doi.org/10.1016/j.cell.2026.08.017

この病気の薬は、一生やめられない

この病気の薬は、一生やめられない
この病気の薬は、一生やめられない / Credit:Canva

転んで手をついただけで手首が折れる。

くしゃみをしただけで背骨が潰れる。

骨粗鬆症が進むと、健康な骨ならびくともしない力で骨が折れるようになります(脆弱性骨折)。

50歳を超えた女性の3人に1人が、一生のうちにこの骨折を経験します。

世界では3秒に1件のペースで起きている計算です。

それだけありふれた病気でありながら、骨粗鬆症そのものを治す方法は、まだありません。

骨は、毎日少しずつ壊しては、その跡を埋め直しています。

壊す担当の細胞(破骨細胞)と、埋め直す担当の細胞(骨芽細胞)が、交代で働いているからです。

閉経して女性ホルモンが減ると、壊す担当のほうが勝ち続けるようになります。

骨は、あとから埋まらない穴だらけになっていきます。

いまの薬にできるのは、この勝ち負けを少し引き戻すことです。

壊す担当の動きを鈍らせる薬(ビスホスホネートやデノスマブ)と、埋め直す担当を励ます薬(テリパラチドなど)があり、骨が減る速さを抑えたり、骨を増やしたりできます。

ただし、どの薬も効果を保つには使い続けることが前提です。

副作用も、使うほど積み重なります。

実際、薬を使うべき女性の3割以上が、治療を受けていません。

そこで期待されてきたのが、埋め直す担当そのものを送り込む方法です。

骨の内部(骨髄)にいる幹細胞を増やして体に戻せれば、骨は自前で作り直せるはずです。

ただ既存の技術では、それを患者の骨に届けるところでつまずいていました。

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