ダークチョコの「香り」だけで、脚の回数が18回増えた

参加したのは、筋トレを何年も続けている健康な若い男性23人です。
実験の日は、ひと晩なにも食べずに朝の実験室へやって来る。
用意した香りは、カカオの多いダークチョコとミルクチョコ、それににおいのない水。
チョコの香りのもとは、溶かしたチョコレートを入れた瓶です。
参加者は瓶に鼻を近づけ、決まったリズムでゆっくり息を吸って香りをかぎます。
どの瓶がどの香りかは、本人にも回数を数える係にも知らされていません。
そのあと、レッグエクステンションという、いすに座って脚を伸ばす運動を行います。
すねでおもりを押し上げるように脚を伸ばし、動けなくなるまで繰り返す。
セットの合間にも香りをかぎ直し、また限界まで脚を伸ばす。
運動の前後には、空腹感や香りの心地よさ、セットごとのきつさも点数で答えてもらいました。
同じ人が日を変えて、香りの種類ぶんこの実験を受ける。
その結果、においのない水と比べて、ダークチョコの香りでは合計の回数が18回増えました。
ミルクチョコの香りでも回数は増えましたが、伸びはダークほどではありません。
一方で、セットごとにたずねた「どれくらいきついか」は、香りによってはっきり上がってはいませんでした。
つまり、きつさがはっきり上がらないまま、こなせる量が増えていたのです。

違いは、運動の前に答えてもらった空腹感にも表れていました。
ダークチョコの香りをかいだあとは、水やミルクチョコのときより空腹感が下がり、満腹感が上がっていました。
一方のミルクチョコの香りでは、空腹感にはっきりした変化は見られませんでした。
そのかわり、参加者はミルクチョコの香りを、ダークや水よりも心地よいと答えています。
ただし、確かめたのは筋トレに慣れた男性だけで、女性や初心者は含まれていません。
研究チーム自身も、これは探索的な(手始めの)研究だと言っています。
それにしても、香りをかいだだけで、なぜ体はもう少し動けるようになるのでしょうか。
























