口の中の出来事が、なぜ脳とつながるの?

歯ぐきから血が出るのも、歯とのすき間が深くなるのも、どちらも歯ぐきで炎症が起きていて、しかも進んでいるサインです。
この炎症が、認知症が起きる流れの一部になっているのかもしれません。
ただし記事も、この考えはまだ推測の段階だとしています。
考えられている道すじの1つ目は、体全体をめぐる炎症です。
日本の研究者たちは、体の炎症が長く続くと「血液脳関門」が傷むかもしれない、と述べています。
血液脳関門は、血液の中のものが脳にかんたんに入りこまないようにしている、関所のようなしくみです。
ここが傷むと、炎症を起こす物質が脳に入りこみ、脳の中でも炎症が起きて神経の細胞が傷つくかもしれない、というのです。
そうしたことが、アルツハイマー病の危険を高めているのかもしれません。
最近は、腸など体のほかの場所の炎症も、認知症の危険に関わっているかもしれない、という研究も出ています。
2つ目の道すじは、口の中の病気のもとになる菌です。
歯ぐきが下がったり血が出たりしていると、そうした菌が増えやすくなり、それがもっと直接に脳をおびやかすかもしれない、という見方です。
実際、マウスの実験では、口から細菌に感染させると、その菌が脳にまですみついたという報告があります。
そのマウスの脳では、アルツハイマー病との関わりがよく指摘される、ねばねばしたタンパク質が多くつくられていました。
ただしこれはマウスで行われた別の実験で、今回の人を対象にした研究とは別のものです。
今回の研究そのものは、こうしたしくみを調べたわけではありません。
血液脳関門の話も、口の菌の話も、「歯ぐきと脳のつながり」を説明するかもしれない候補、という位置づけです。


























