元恋人を思い出すのは今の恋に悪影響しかないのか?

恋人のスマホに、元恋人との写真がまだ残っていた。
それだけで胸がざわつく人は少なくないでしょう。
逆に、ふと昔の恋を思い出してしまい、今の恋人に後ろめたさを覚えた経験のある人もいるはずです。
元恋人を思い出すのは、今の恋に満たされていない印。
多くの人が、なんとなくそう考えています。
実際、いちばん最近まで付き合っていた相手を頻繁に恋しく思う人ほど、今の関係の質が低いという報告もあります。
ところが心理学では、「懐かしさ(ノスタルジア)」はただの後ろ向きな感傷として扱われてきませんでした。
懐かしさとは、自分にとって意味のある過去を、そのときそばにいた人ごと呼び戻す感情です。
恋愛の場面でも、今の恋人との幸せな思い出をよく振り返る人ほど関係への満足感が高く、別れたいという気持ちは弱いことが報告されてきました。
元恋人への懐かしさについてさえ、今の関係にプラスに働いたというデータがあります。
つまり、元恋人を懐かしむことが今の恋を傷つけるのかどうかは、まだ決着がついていませんでした。
しかも、こうした研究のほとんどは欧米の参加者を対象にしたものでした。
西洋の文化圏では、人は自分の内側にある性質や一貫性を手がかりに、過去・現在・未来の自分をひと続きのものとして保ちます。
一方、東アジアの文化圏でその役目を担うのは、人とのつながりと、関係の調和です。
だとすれば、終わった関係を思い出すことは、東アジアの人にとってもっと厄介なはずです。
すでに切れてしまったつながりに自分を引き戻すことになり、今の関係を保つために必要な感情のまとまりを乱しかねないからです。
そこで今回、フロリダ大学のパク・スヨン氏らの研究チームは、元恋人への懐かしさは今の関係の質を下げるはずだ、という仮説を立て検証することにしました。



























