きっかけは「サノス」
研究主任で、化学・生体分子工学者のサアド・バムラ(Saad Bhamla)氏は、今回の調査について、2018年公開の映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(Avengers: Infinity War)』がきっかけだった、と話します。
本作を観た方ならすでにお察しでしょうが、観てない方のために説明しますと…
タイタン星人のサノスは、宇宙の均衡を保つべく、不思議な力を持つ6つの石:インフィニティ・ストーンを探す。
6つすべてを集めて指パッチンすると、全宇宙に存在する生命の半分を消し去ることができる。
ヒーローたちは一致団結してそれを阻止しようと奮闘する…
しかし、指パッチンは、重々しいガントレットを手に装着した状態でしなければなりません。
これを観たバムラ氏は「ガントレットをはめた状態で本当に指パッチンできるのか」と学生と議論したと言います。
指パッチンに必要な摩擦や弾性エネルギーが、金属製のガントレットでは生じないのではないかと考えたそうです。
そこでバムラ氏と学生は、指パッチンを物理学的に詳しく調査することにしました。