赤色は「脳に訴える」
赤色が警報に利用されている2つ目の理由は、「赤色が脳に訴えかけるから」というものです。
人の心や体は、あらゆる種類の刺激に対して何らかの反応を示します。
過去の研究(Frontiers in Human Neuroscience, 2015)では、赤色が人間の反応を増強すると判明していました。
つまり、人は赤色を見ることで、即座に行動したり、確固とした対応を取ったりするというのです。
さらに赤色には、怒りや恐怖、危機感などのネガティブな感情を誘発する性質もあるようです。
そのため、赤色を見ると、私たちの脳はすぐに活性化され警告を発するようになります。
状況がはっきり分からないとしても、危険を感じたり、その場から離れたいという気持ちになったりするのです。
つまり、赤色は私たちの脳に直感的に警報を届けてくれます。
さて、これら2つの理由を考えると、確かに赤色が警報に役立つと分かります。
普段は無数にある色の中の1つにすぎませんが、重要で急を要する場面になると、赤色が最も目立つ色となり、私たちに迅速な行動を促してくれるのです。
次に信号機の赤やサイレンに遭遇したとき、自分がどんな反応をしたか分析してみてください。
きっと警報が赤色であることに納得するでしょう。