強毒化したエイズウイルス変異株を発見! 30カ所も変化
強毒化したエイズウイルス変異株を発見! 30カ所も変化 / Credit:Canva . ナゾロジー編集部
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強毒化したエイズウイルス変異株を発見! 早いと約9カ月で深刻化 (2/3)

2022.02.07 Monday

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感染力も増加している

エイズウイルスは新型コロナウイルスと同じRNAウイルスであり変異が起きやすい
エイズウイルスは新型コロナウイルスと同じRNAウイルスであり変異が起きやすい / Credit:Canva

いつどのようにしてエイズウイルスの強毒化が発生したのか?

謎を探るため研究者たちは変異株の遺伝子を人間関係(性行為など)と連動して比較分析しました。

結果、変異株の遺伝子が感染の前後でほとんど変わっていないことが判明します。

変異株は人から人へ非常にスムーズに感染していることを示しており、これは感染力が高いことを意味します。

また遺伝子の分析から変異株の発生時点を割り出したところ、変異株が発生したのは1990年代であり、2000年代に感染者がピークを迎えていたことが判明します。

つまり人類は20年以上にわたり、エイズウイルスの変異株を見逃していたのです。

発見が遅れた原因には、エイズが慢性的な病である点があげられます。

数週間から数か月で自然治癒する新型コロナウイルスと違ってエイズウイルスは根治が難しく、長期にわたって体に存在するため、新たな症状に気付きにくくなっていたと考えられます。

さらに変異の起きた場所を調べたところ、変異はエイズウイルスの遺伝子全体に渡っており、30ものアミノ酸が変化していることが判明しました。

この結果は、エイズウイルスの変異株に起きた強毒化が単一の遺伝子の変化のような単純な現象ではなく、複数の変異が重なって発生したことを示します。

次ページ不十分な治療が変異の温床になっている可能性がある

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