・バーベキューの煙に含まれる発がん性物質が「皮膚」から吸収されることが判明
・発がん性物質を最も多く摂取するのは「食事」から。その次に「皮膚」、「呼吸」と続く
・服を着用していても、服の繊維が煙で充満すると防護効果を失う
夏が近づくと友人や親戚でバーベキューする機会が増えるのではないでしょうか?そのバーベキュー、もしかすると健康にあまり良くないかもしれません。
“Environmental Science & Technology” に掲載された研究において、バーベキューの「煙」に含まれる発がん性物質が、呼吸だけでなく「皮膚から」吸収されていることがわかりました。
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.8b01689
バーベキューでは、食材を直火加熱することで多環芳香族炭化水素 (PAHs) という化学物質が発生することがわかっています。PAHsには、発がん性だけでなく、呼吸障害やDNAの突然変異を引き起こすものもあります。
実験では、被験者に屋外でのバーベキューを楽しんでもらい、尿検査を実施。食材や煙による人体へ影響を調査しました。その結果、PAHsの摂取は「食事から」が最も多く、その次に「皮膚から」が多いことが判明。すなわち、「呼吸から」よりも「皮膚から」のPAHsの摂取量が多かったことになります。
皮膚からの摂取が多い理由としては、煙に含まれる油が皮膚からの摂取を促進していると考えられます。PAHsから皮膚を守るために、長袖などの服を着用することで短期的には効果があります。しかし、服の繊維が煙で充満すると、その煙を皮膚が吸収してしまう可能性も。そのため研究者らは、バーベキューが終わった後は服をすぐに洗うように注意を促しています。
純粋に楽しみたいバーベキューですが、煙には注意したほうがよさそう。特に「焼く係」の人は、風向きに注意しながら肉を提供してあげましょう。
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/3020