肉メインの食事がネコの狩猟本能を減らす
調査の結果「肉メインの食事」がもっとも狩猟本能を抑える効果が高くなりました。
肉メインの食事を与えたネコは持ち帰る獲物が36%も減少したのです。
ドライフードはネコの栄養を満たすよう設計されていますが、穀物が含まれることも多く、タンパク源として大豆など肉以外のものを使っていることも少なくありません。
元々、狩猟は栄養をとるために行われるものです。
肉食のネコにとって、ドライフードでは得られない栄養が肉にあり、それらが満たされることで狩りへの欲求が減ったのだと考えられます。
遊びを増やすことも有効
また、もっとも狩猟に近い行為である「飼い主との遊びを増やすこと」も狩猟本能を25%抑えることができました。
飼い主が10~15分遊ぶ時間を増やすだけで効果が得られるということですから、日常に取り入れやすい方法と言えますね。
調査の中では、先端に羽がついた猫じゃらしのような玩具や、ネズミを模した玩具が使われていたようです。
パズルフィーダーは逆効果
逆にネコが持ち帰る獲物を+49%と大幅に増やしてしまったのがパズルフィーダーです。
もともと肥満防止のため早食いさせないようパズルを解くことでエサにたどり着けるというものですが多くのネコはトレーニング不足でエサにたどり着けず、空腹かつ欲求不満となった結果狩りに向かってしまったのでしょう。
この結果からも、ネコの狩猟本能を抑えるには「栄養」と「狩る欲求=遊び」の両方を満たす必要があることが見て取れます。
ネコが「狩りを失敗するように仕向ける」取り組みも
調査の中では、ネコが狩りを失敗するよう「鳥に見えやすいカラフルで大きな首輪を付ける」「首輪にベルを付ける」という取り組みも行われました。
これらの取り組みは鳥に関しては40%以上減少という大きな効果をもたらしましたが、小動物にはほとんど効果がなかったと言います。
さらに多くのネコが首輪を嫌がったため、ネコのストレスという観点からあまり論文中でも推奨されていませんでした。
ただこの「鳥に見えやすいカラフルで大きな首輪」に関してはすでにBirdsbesafeという名で商品化されているもので、飼いネコが野生動物を食べてしまうという問題の注目度の高さが伺えます。
家飼いが主流の日本でも、実はこういった問題は他人事ではありません。
日本にも特定の人に飼われず外で暮らしているネコは多くいるためです。