獲物を持ち帰ったネコ
獲物を持ち帰ったネコ / credit:Pixabay
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ネコの狩猟本能は肉メインの食事で抑制可能! 困った「お土産」が減るかも

2022.12.25 Sunday

ネコは本来、狩猟を得意とする肉食動物です。

飼い猫になってもその本能を失うことはないため、セミなどの昆虫やネズミなどの小動物を獲ってきて困った経験をしたことがある飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。

獲物となった生き物が何かしらの病気を持っていたり、殺虫剤などに侵されていたりと考えると気が気ではありません。

たとえ何もなかったとしても、普段食べているフードとは異なる食べなれないものですので、消化できなかったり、骨が刺さって怪我をしてしまったりする恐れがあります。

とはいえ、本能である以上、完全に防ぐことは難しいものです。

そんな中、ネコに負担をかけることなくネコの狩猟本能を減らすことができるという研究が注目を集めています。

How to stop your cat killing mice: Feeding your pet meaty foods and playing with them for just FIVE MINUTES a day helps stop them hunting wildlife, scientists say https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-9250279/Cats-Playing-kitty-feeding-meat-rich-foods-deter-hunting-wildlife.html
Provision of High Meat Content Food and Object Play Reduce Predation of Wild Animals by Domestic Cats Felis catus https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(20)31896-0?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0960982220318960%3Fshowall%3Dtrue

ネコの狩猟本能に関する調査

小鳥を狙うネコ
小鳥を狙うネコ / credit:Pixabay

ネコの狩猟本能に関する調査はイギリス、エクセター大学のマルチナ・チェケッティ博士らによって行われたものです。

219世帯355匹の飼いに対し、持ち帰った獲物の数が以下の対策でどのように変わるか調査されました。

  • 肉をメインとするグレインフリーな食事を与える
  • 遊ぶ時間を増やす
  • 給餌の際にパズルフィーダーを用いる

なお、調査は12週間にわたり行われました。

家飼いに関しては国内外で意識が異なる

狩った獲物を食べるネコ
狩った獲物を食べるネコ / credit:Pixabay

しかしそもそも我々日本人からすると、12週間、つまりおよそ3ヶ月という短期間にそれほど獲物を獲ってくることがあるのか、という疑問が出てくるでしょう。

実際、家飼いが主流となっている日本では、獲物を獲ってくることがあっても頻繁ではありません。

しかし、日本以外の国々では動物が自由に行動する権利を求める声が強く、自由に外に出られる状態のネコが多くいます。

このため、ネコの狩猟本能による小動物の被害や、ネコ自身の健康被害が大きな問題となっているのです。

この研究はネコの自由を保ちつつ、ネコが周辺環境に迷惑をかけないようにという背景から行われているのですね。

ネコに負担をかけない「肉メインの食事」「飼い主との遊び」「パズルフィーダー」の3つの方法、はたしてネコの狩猟本能にどのような効果があったのでしょうか。

次ページ肉メインの食事がネコの狩猟本能を減らす

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