偽情報の共有「マンデラ効果」
「マンデラ効果」とは、南アフリカの指導者ネルソン・マンデラに由来して名付けられた現象です。
彼は2013年まで生存していましたが、なぜか大勢の人は、「マンデラ氏は1980年代に獄中死した」と誤って記憶していました。
この「偽情報が強力に共有された現象」は「パラレルワールドの記憶だ」などとオカルトめいた空想とともにインターネットで話題になりました。
ここ学術用語ではありませんが、非常に興味深い現象であるとして「マンデラ効果」という用語が生まれたのです。
この現象の面白い点は、通常個人の体験に基づく主観的なものである「記憶違い」が、世界中の人の間で共有されていることです。
有名なガンダムのセリフでも、「足なんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのです」「おかしいですよカテジナさん」というのは作中の正確なセリフの言い回しじゃないと言われて、視聴済みの人でも困惑したことがあるのではないでしょうか?
しかし情報の間違いは、普通大勢の人間が関われば容易に修正されるはずです。
なぜ、マンデラ効果は発生するのでしょうか? 他にも同様の事例は存在するのでしょうか?
ベインブリッジ氏ら研究チームは、視覚的なマンデラ効果に着目し、理解を深めるための研究を実施しました。