1日1回の点眼薬で近視を防げるかも
1日1回の点眼薬で近視を防げるかも / Credit:Canva
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1日1回目薬するだけで子供の近視を遅らせるアトロピン点眼薬とは?

2023.03.05 Sunday

近視で「眼鏡やコントタクトレンズが手放せない」という人は多いでしょう。

そして思い返してみると、「小中学生で目が悪くなり始めた」という人が多いはずです。

では、子供たちが近視になるのを防ぐ方法はあるのでしょうか?

最近、香港中文大学(CUHK)に所属する眼科医ジェイソン・ヤム氏ら研究チームは、「低濃度アトロピン点眼薬」が子供の近視発症を遅らせると発表しました。

2年間、1日1回の点眼を続けた子供たちは、近視になる確率が低かったのです。

研究の詳細は、2023年2月14日付の学術誌『JAMA』で発表されました。

Medicated eye drops may delay nearsightedness in children https://www.sciencenews.org/article/eye-drops-delay-nearsightedness-child Study: Could atropine delay or prevent myopia in children? https://www.aoa.org/news/clinical-eye-care/public-health/myopia-drops?sso=y
Effect of Low-Concentration Atropine Eyedrops vs Placebo on Myopia Incidence in Children https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2801319

近視は成長期に発症しやすく、一生涯続く

現在、世界人口の4分の1が近視だと言われています。

そして2050年までには世界人口の約半数が近視になるとも予想されています。

近視になる子が増えている
近視になる子が増えている / Credit:Canva

近視の発症には遺伝が関係しますが、それだけではこの爆発的な増加を説明できません。

そのため多くの科学者たちは、近視の原因が環境にあることを認めています。

勉強や娯楽、日常生活のほとんどでスマホやタブレット、パソコンなどを使用し、近くを見続けていることが原因なのです。

そしてこれらの悪影響を強く受けるのは子供たちです。

なぜなら近視は子供時代に始まることが多く、一旦近視になると、その後視力が回復することはほとんどないからです。

成長期に近くばかり見ていると、眼球が伸びて一生近視になる
成長期に近くばかり見ていると、眼球が伸びて一生近視になる / Credit:Canva

子供のころに目が悪くなりやすいのは、眼球の成長と関係があると考えられています。

特に12歳までの眼球の成長は著しく、その期間で近くばかり見ていると、眼球が前後に長くなって戻らなくなります。

これによりピントがずれて、近視を発症するのです。

では、どうすれば子供時代の近視発症を防げるのでしょうか?

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