アクシオム・スペース社が開発した新しい宇宙服が発表
新しく発表された宇宙服AxEMU(Axiom Extravehicular Mobility Unit)は、従来の宇宙服と比べて見た目がいくらか異なっており、さまざまな性能も向上しています。
まず見た目ですが、従来の宇宙服よりもややスタイリッシュであり、黒色の下地にオレンジ色や水色のラインが入っていますね。
ところが実は、この見た目は「独自のデザインを隠すために展示用カバーを被せたもの」なのだとか。
本来のデザインは内部に隠れており、本体カラーも熱を反射するために白色が採用されているようです。
公開イベントでは、アクシオム・スペース社のエンジニアであるジム・スタイン氏がAxEMUを着用し、様々な動きを見せました。
彼はAxEMUを着たまま歩き回ったり膝を曲げたりしました。
腕を回したり物をつかんだりして、新しい宇宙服がどれだけ柔軟か示しています。
また従来の宇宙服は上下で別れており、脚部を履いた後、上部ユニットを被るようにして着用してきました。
しかしAxEMUは、背面にハッチが付いたワンピース仕様であり、後ろから足を踏み入れるようにして着用するのだとか。
そしてNASAによると、AxEMUはさまざまな体型の人に適応するよう作られており、「アメリカ人男女の約9割が着用できる」とのこと。
新しい手袋とブーツには、月面での長時間作業を想定して高い柔軟性と耐久性が備わっています。
特に月の南極のクレーターの底では日光が1年中届かず、極寒であるため、新しいブーツは完全に断熱されているようです。
AxEMUは今後も改良が続けられ、実際に使用されるのは2025年の予定です。
その時、約40年ぶりの新作宇宙服「AxEMU」によって、約50年ぶりに人類が月面へ降り立つことになるでしょう。
ちなみに、月面で着用されたAxEMUは、月脱出時の質量を軽減するために月の軌道に留まる宇宙船に置いていかれ、地球には戻ってこない可能性があります。
もしそうなら、アルテミスⅢの出発前に本当の姿を晒したAxEMUをしっかりと目に焼き付けておく必要があるでしょう。
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