序盤から心理的興奮が強いとオーガズムに到達しにくい
具体的にいうと「性行為の序盤に心理的興奮が強すぎると、オーガズムに達する確率が低くなる」とブリュス氏は説明します。
ここで述べられる心理的興奮とは、視覚的、聴覚的、嗅覚的、および思考的な要素で促される性的興奮のことを指します。
「私たちの重要な発見は、性的反応サイクルの初期に心理的刺激や興奮が高かった男性は、その後にオーガズムに達する可能性が阻害されやすくなっていたことでした」
つまり、先の4段階の第1段階にあたる「興奮期」の段階で、すでに心臓をバクバクさせ興奮しすぎていると、心理的な興奮のピークが適切な生理的刺激を受ける前に終わってしまい、結果的にオーガズムを迎えられなくなるというのです。
最初に色々考えて興奮しすぎた結果、行為の途中で萎えてしまうというのが、男性がオーガズムに失敗する要因のようです。
よって、男性へのアドバイスとしては「最初からあれこれ妄想を働かせて考えすぎないように」ということになります。
今回の研究については、数十年分の性科学のデータを数学に当てはめて、オーガズムについて考えすぎた研究者たちが、「考えすぎないことが重要」という結論を導くのは皮肉が効いていて面白いと評されているようです。
もちろん、この方程式(アドバイス)がすべての男性に当てはまるわけではありません。
性的興奮の仕方やオーガズムの発生には一人一人に個人差があるため、この数式はあくまで、オーガズム到達への可能性を高めるための確率論の話だと両氏は述べています。
その上でクリチコ氏は「今回の発見は、社会的にタブー視されているテーマに光を当てるものであり、性機能障害の臨床治療に役立つと思われます」と指摘。
「この研究で学んだことをもとに、今後は男性の反応よりも複雑な女性の性的反応を数学的にモデル化するつもりです」と話しました。
なお研究者によると、女性に関してはより高度な数学が必要になるとのこと。