2つの先祖集団はどれほど違い、なぜ融合したのか?
「幹1」と「幹2」はどれほど違い、なぜ融合を繰り返したのか?
研究者たちがモデルをもとに遺伝子を分析したところ、両者の違いはヨーロッパ人と西アフリカ人と同じくらいであり、「中程度」と言えることがわかりました。
(※現実のヨーロッパ人と西アフリカ人の場合も交配によって子孫を残すことが可能です)
また1度分岐した両者が融合した原因としては、海面上昇・乾燥化などによる生息地の狭まりによって同居を強いられる環境的な要因と、新たな住処を求めて移住したとき遭遇したという偶発的要因の2つが考えられるようです。
さらに研究者たちは、ネアンデルタール人が絶滅する一方で人類が生き残った要因として、複雑な網状の交配システムを上げています。
分岐後に単独でいたネアンデルタール人と比べて人類先祖は複雑な交配が可能であり、遺伝的な多様性を保持することが可能だったからです。
遺伝的に多様な生物種は環境変化にもいち早く適応し、生存競争を有利に進めることが可能です。
研究者たちは「私たちの種の根底にある多様性が、人類繁栄の鍵だった可能性がある」と述べています。