円形脱毛症が進行すると髪だけでなく全身の毛が失われてしまう
円形脱毛症は古くから知られている症状であり、古代の文献にも現在の円形脱毛症に似た症状についての記述が存在します。
たとえば平安時代の文献では鬼によって頭が舐められたあとという意味で「鬼舐頭(きしとう)」と言われていました。
また一般にAGAとして知られる男性型脱毛症の多くが成人男性にみられる一方で、円形脱毛症の発症率に男女差はなく、生涯を通した発病率は1.7%ほどと言われています。
症状の初期段階では、前触れなしに頭髪に円形の脱毛部分が発生することから俗に「10円ハゲ」とも言われます。
60%の人々は初期段階の間に自然治癒が行われ、抜け落ちた髪も戻ってきます。
しかし症状が進行すると、脱毛カ所が増えたり脱毛部分の拡大が起こり、やがて脱毛が頭皮全体に及ぶようになります。
さらに症状が進むと、脱毛部分が頭部から下方に拡大し、眉毛やヒゲ、胸毛、陰毛、すね毛など、あらゆる体毛が抜け落ちてしまいます。
こうなると全身から毛がなくなってしまうためもはや円形と言えなくなるかもしれませんが、実際は体の各所に無数の円形脱毛が発生し、全身に広がった状態となっています。