炭水化物:男性の低量摂取、女性の過剰摂取は死亡リスクを高める
炭水化物の摂取と死亡リスクとの関連では、男性と女性で異なる結果が見られました。
男性では炭水化物摂取量が低すぎると、死亡リスクが増大します。対照的に、女性では炭水化物摂取量が高すぎると死亡リスクが増大することが示されています。
男性の炭水化物摂取量と死亡リスクの関係
まず、男性の栄養摂取と死亡リスクの関連を見ていきます。連続した約9年間にわたるデータの分析です。
本研究では、炭水化物摂取量の基準を「エネルギー比率50~55%」とし、これを「1」として、これより多く摂取したか、少なく摂取したかをみています。
「全死亡リスク」および「がん死亡リスク」では、炭水化物を制限しすぎることの影響が顕著にみられます。エネルギー比率が40%未満の「低炭水化物摂取群」では、全死亡リスクが1.59倍、がん死亡リスクが1.48倍となっています。
循環器疾患死亡リスクでは、エネルギー比率が基準を下回ると増加する傾向がみられました。
女性の炭水化物摂取量と死亡リスクの関係
次に、女性の炭水化物摂取量と死亡リスクの関連性を見ていきます。
女性の場合、リスク比が時間の経過とともに変化する傾向がみられたため、追跡期間を「5年以上」と「5年以下」に分けて分析を行っています。
追跡期間が 5 年以上の場合、エネルギー比率が65%を超える「高炭水化物摂取群」で全死亡リスクが1.71倍となっています。また、炭水化物を多く摂取すると、がん死亡リスクも高くなる傾向がみられます。
一方、追跡期間が5年未満の場合、循環器疾患死亡リスクは、基準より多い摂取でも少ない摂取でも、大きく増加することがわかります。
次に、脂質摂取量と死亡リスクとの関係をみていきましょう。