脂質:男性の過剰摂取、女性の脂質不足が死亡リスクを高める
脂質の摂取についても、男性と女性で異なる結果が見られます。
脂質の種類(飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸)によっても結果が異なる点が見られましたので、その点にも注目してください。
男性の脂質摂取量と死亡リスクの関係
男性における脂質摂取量と死亡リスクの間の関連性を見ていきましょう。
脂質摂取量については「エネルギー比率20~25%」を基準とし、これを1としています。
このとき、35%を超える「高脂質摂取群」では、がん死亡リスクが1.79倍に増加しています。また、循環器疾患死亡リスクは、脂質摂取量の増加に伴って上昇する傾向が見られます。
脂質を、肉類、乳製品、加工食品に多く含まれる「飽和脂肪酸」と、魚、植物油、ナッツ類に多く含まれる「不飽和脂肪酸」に分けて分析した結果、男性では「不飽和脂肪酸」の摂取が不足すると全死亡リスクとがん死亡リスクが高まることが示されました。
女性の脂質摂取量と死亡リスクの関係
女性では、脂質摂取量が増えるほど、全死亡リスクとがん死亡リスクが減少する傾向が観察されました。
飽和脂肪酸摂取と不飽和脂肪酸摂取に分けた場合の分析では、「飽和脂肪酸」の摂取量が多い方が、全死亡リスクとがん死亡リスクが低下する傾向がみられました。