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「火を噴くドラゴン」が科学的に存在し得るのかを考えてみる (4/5)

2018.06.18 Monday

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ドラゴンはどうすれば火を噴けるか?

ある程度滑空できる蛇はいるようですが、では火を噴くにはどうしたらいいのでしょうか。

残念ながら、火を噴く動物はこれまで見つかっていません。しかし、火を出すことが不可能というわけではありません。ボンバルディア・ビートルと呼ばれる昆虫は、ヒドロキノンと過酸化水素を腹部に溜めることができ、脅威を感じるとそれを噴射します。それは噴射されると100度を超える高温ガスになり、危険からその身を守ります。

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Credit: MIT / ボンバルディエ・ビートルがガスを噴射している様子

生きている生物は、引火性のものや反応性の高い化学物質や触媒を常に生成しています。それは人間も同様です。人は自らが利用するよりも多くの酸素を取り入れており、過酸化水素は代謝で生成されます。また、消化では酸を用い、その副産物として生じるメタンは引火性があります。さらに肝臓や赤血球に豊富にあるカタラーゼは化学反応を促す酵素の役割を担います。

このことから、ドラゴンが火を噴くには、必要な化学物質を体内に溜めて、化学的か機械的に引火させることが必要です。機械的に引火する場合は、圧電結晶を砕くことで火花を散らすことができます。圧電素材は引火性の化学物質のようなもので、歯にあるエナメル質や象牙質、乾いた骨や腱など動物の体内に既に存在します。

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これまで火を噴く生命体は発見されていませんが、それはボンバルディエ・ビートルが示すように、噴射する能力を発展させてきた種が全くいないという意味ではありません。ただ、肛門や特別な構造を持った口から火を放つ動物になる可能性があります。

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