「爆発的」ヨーロッパアカガエルの繁殖
ヨーロッパアカガエル(学名: Rana temporaria)はアカガエル科に属しヨーロッパの広範に生息するカエルです。
体長は6から9センチメートルほどと、日本でよく見られるアマガエルより、少し大きな体をしていて、ほとんどの場合はメスのほうが大きな体をしています。
擬態を行うことでも知られており、脇腹と背中は黄緑、茶色、黄色などに変化し、明るさを変えることもできます。
ヨーロッパアカガエルの中でも有名なのは、「爆発的」繁殖と呼ばれる、池などに数十匹が集まって行う交尾です。
ヨーロッパアカガエルはオスのほうがメスよりも断然数が多いため、一度に6匹以上のオスが1匹のメスと交尾しようと争いを繰り広げます。
その姿は、1匹のメスに群がったオスたちがボールに見えるほどの塊となり「交尾球(mating balls)」とも呼ばれます。
その際、数匹のオスが同時にメスにしがみつくため、メスは交尾相手として望ましくないオスを取り除くことがほとんどできません。
しかも、メスはその交尾球の中で身動きができず溺死してしまうこともあるのです。さらには、周囲のオスも一緒に死んでしまうことがあるというのですから、いかにヨーロッパアカガエルの交尾が激しいものかわかります。
そこでメスたちは交尾を避けるため、いくつかの技を編み出しました。
今回のディトリッヒ氏らの研究によって、メスは交尾したくないオスを避けるために3つの重要な戦略を用いることがわかったのです。