つながりのある2台のロボットが最も「かわいい」
研究チームは、見た目以外の「かわいい」と感じる要素の探求を続ける中で、数と関係の効果に着目しました。
例えば、1粒のサクランボよりも2粒のサクランボが房でつながっている方が「かわいい」と感じられます。
また動物の赤ちゃんが1匹でいる場合よりも、複数の動物の赤ちゃんが楽しそうにじゃれ合っている様子の方が、「かわいい」と感じるはずです。
そこで彼らは、複数の対象につながりがあると、人はその対象を「かわいい」と感じるのではないか、という仮説を立てました。
この仮説を検証するために、まず人、モノ、ロボットの数が「かわいい」と感じる度合いにどのように影響するか、201名にWEBアンケートを取りました。数と関係のパターンは次の通りです。
- 数が1の場合
- 数が2でただ並んでいる場合
- 数が2でつながりを感じさせるように並んでいる場合
その結果、対象の種類にかかわらず、「数が2でつながりを感じさせる」場合が最もかわいいと評価されました。
次いでチームは、ロボットが手を振る動画を、最初の実験と同じく3パターン作り、それを202名の参加者に評価してもらいました。
その結果、可愛いと感じる度合いは、「1台」よりも「つながりのない2台」方が有意に高く、「つながりのない2台」よりも「つながりのある2台」の方が有意に高いと分かりました。
3つ目の実験では、ロボットの台数を1から10台まで変化させた動画を用い、同じパターンで152名にアンケートを取りました。
その結果、数は2台の場合が最も「かわいい」と評価されました。
これらの実験を総合すると、対象を「かわいい」と感じさせる要素には、見た目だけでなく、対象の「数」と「関係」が含まれると分かります。
「単体」よりも「複数(特に2体)」が「かわいい」と感じられ、「対象間のつながり」がよりかわいさを向上させるのです。
実験の大部分はロボットを対象にして行われましたが、この効果は、様々な対象に活用できるかもしれません。
数や関係性を考慮した画像や動画に、人々はより愛着を感じ、引き寄せられる可能性があります。
「かわいい」を今以上に演出したいなら、「1人よりも2人がかわいい」「つながりがあるともっとかわいい」ことを意識してみましょう。