冬眠中の女王バチを1週間水没させる実験
新たな研究では、マルハナバチの女王の耐水能力が調べられました。
実験では上の図のようにチューブの中に土が敷かれ、その上から水が注がれます。
ただハチの体は水に浮く性質があるので、一部は完全に水没させるために上から棒で押さえつけます。
また水没期間は8時間、24時間、そして7日間の3通りが設定されました。
大規模な洪水が起きた場合、完全な水はけがおこるまでに数時間から数日にわたる長い時間が予想されるからです。
水没チャレンジが終わると、女王バチは再び土入りのチューブ(水なし)に移され、8週間にわたり4℃の冷蔵庫の中に入れられました。
こうすることで、冬眠中に洪水に見舞われ水没してしまった女王バチの環境を模倣することが可能になります。
結果、驚きの事実が判明します。
完全に水没させて7日間経過させても、女王バチの生存率はほとんど低下しなかったのです。
上の図は、水を入れない場合と、水を入れて浮かせた場合、そして上から棒で押して完全に水没させた場合を時間ごとにわけて示しています。
図をみてもわかるように、何もしていない場合も、水に浮かせたまま7日間経過させた場合も、そして水没させたまま7日間経過させた場合も、生存率にほとんど違いはなく、平均生存率は90%でした。
この結果は、冬眠中のマルハナバチの女王には1週間にわたり完全に水没していても生存可能であり、頻繁な洪水に適応していることを示しています。
しかしどうやってマルハナバチの女王は、1週間にもわたる水没を生き抜いていたのでしょうか?