怒りは血管の弛緩を妨げる
怒りは血管の弛緩を妨げる / Credit:Canva
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なぜ怒ると血管がブチ切れるのか?未解明のメカニズムに迫る

2024.05.07 Tuesday

激しい怒りを抱くことに関して、「ぶちキレる」という表現があります。

漫画やアニメなどでも、1つの表現方法として、血管が浮き出た「怒りマーク」や「ブチッ」という擬音が当てられます。

このように私たちは「怒りの感情」と血管の状態をよく関連付けて考えていますが、実際医学的にも激しく怒ると血管が損傷することがあるのでしょうか?

最近、コロンビア大学アーヴィング医療センター(CUIMC)に所属するダイチ・シンボ氏ら研究チームは、怒りが一時的に血管の弛緩を妨げると報告しました。

この新しい発見は、怒りが血管の機能と健康に悪影響を及ぼすメカニズムに光を差すものとなりました。

この研究の詳細は、2024年5月1日付の学術誌『Journal of the American Heart Association』に掲載されています。

Brief anger may impair blood vessel function https://newsroom.heart.org/news/brief-anger-may-impair-blood-vessel-function?preview=104b&preview_mode=True Angry? Your blood vessels pay the price, new study demonstrates https://newatlas.com/health-wellbeing/anger-cardiovascular-health/
Translational Research of the Acute Effects of Negative Emotions on Vascular Endothelial Health: Findings From a Randomized Controlled Study https://doi.org/10.1161/JAHA.123.032698

怒りは心臓病や脳卒中のリスクを高める

「怒りは血管や健康に良くない」そう考えている人は多いでしょう。

確かに激しく怒ると、血管がドクドクと激しく脈打つような感覚を覚えます。

実際、これまでに行われた研究の中には、「怒りなどの否定的な感情が、心臓発作のリスクを増加させる」と報告したものもあります。

ただこの関連は示されていても、メカニズムは明確ではありません。

怒りが心臓発作や脳卒中のリスクを高めるのはなぜ?
怒りが心臓発作や脳卒中のリスクを高めるのはなぜ? / Credit:Canva

オランダのアムステルダム大学(University of Amsterdam)の2023年の研究によると、血管を弛緩させる機能が低下すると動脈硬化を発症するリスクが高まると分かっています。

そしてそれが心臓病や脳卒中のリスクを高めることにも繋がるというのです。

こうした報告を考慮すると、怒りは血管の弛緩する機能に影響して心血管疾患に繋がっている可能性が考えられます。

そこで今回、シンボ氏ら研究チームは、怒りなどの否定的な感情と「血管の弛緩(または拡張)」にどのような関連性があるのか調べることにしました。

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