バオバブの木はマダガスカルから波に乗ってやってきた
バオバブの木は、地球上で最もユニークで魅力的な植物の一つです。
バオバブの木は、まるで根っこが空に向かって伸びているような奇妙なシルエットを持ち、他の樹木とは一線を画しています。
バオバブはは非常に太い幹を持ち、記録された最大の円周は47メートルにも達しています。
その独特な形状から「逆さまの木」とも呼ばれ、その見た目だけでも多くの人々の興味を引きつけます。
寿命も長く2000年に及ぶことが知られています。
さらにアフリカなどに生息するバオバブは厳しい干ばつに耐えられるように10万リットルもの水を貯えられるようになっています。
水分が蒸発しやすい葉っぱや枝を極限まで少なくし幹の部分に水を蓄えているのです。
(※ゾウたちはそのことを知っているようで、しばしばバオバブの幹を破壊して内部の空洞部分に溜まった水を飲むことがあります)
ですがバオバブの木の特殊性は形状だけではありません。
バオバブの木は、その独特な進化の過程で特定の花粉媒介者との相利関係を進化させました。
バオバブの木は夜間に花を咲かせ、その花は蜜を求める動物たちを引き寄せます。
多くの植物は通常、昆虫や鳥などに花粉を運んでもらいますが、バオバブの場合はそれらに加えてキツネザルやコウモリのような夜行性の哺乳類も花粉の運び手となっています。
バオバブの木はその進化の過程で糖分を好む大型の動物を利用するという独自の受粉戦略を発展させたことで、バオバブは生態学的に成功することができました。
このようにバオバブの木は通常の樹木とは異なる、奇妙な特性のオンパレードとなっています。
しかしバオバブの木がどこを起源にしているかは、長い間謎でした。
バオバブには現在8 種が存在しますが、そのうちの6種類がマダガスカル、1種がアフリカ、もう1種がオーストラリアで確認されています。
そのためアフリカを起源とする説やオーストラリアを起源とする説もありましたが、科学的な根拠は曖昧でした。
そこで今回、中国科学院の研究者たちは8種類全てのゲノムを解析し、バオバブの木がどのように進化してきたかを調べました。
結果、バオバブの祖先が2100万年前にマダガスカルで誕生したことが判明。
そして今から1200万年前、種がインド洋の海流に乗って1種類がアフリカに、もう1種類がオーストラリアに到達し、そこから独自の姿に進化したことがわかりました。
ただ現在、起源となったマダガスカルのバオバブの木たちは、人間の活動により絶滅の危機に瀕しています。
かつてマダガスカルには巨大キツネザルがいました。
巨大キツネザルの中にはゴリラほどの大きさに達した者もあり、バオバブの種子を散布する重要な役割を果たしていました。
しかし巨大キツネザルは今から1000年ほど前に人間たちによって狩り尽くされ、バオバブが含まれる森林も開発によって多くが失われてしまいました。
また研究ではマダガスカルのバオバブの中には遺伝的多様性が低く、気候変動に脆弱な種もあることがわかりました。
そのため研究者たちは、マダガスカルのバオバブのいくつかは2080年までに絶滅する可能性があると述べています。
周長47mというのは、樹高の誤記ではないかと思います。
wikiには高さ47mとの記述もありました。
周長で合っています。サンランドバオバブで調べてください。
すごい~