ネズミイルカは狩りの時間を延ばすことで、必要なエネルギーを確保する!
「より少ないエネルギーで、より多くのエネルギーを獲得する」、これが哺乳類の狩りの戦略を考える上で重要なことです。
ただ、そもそもどうやって海の中に暮らすイルカの狩りの様子を観察するのでしょうか?
ここで注目すべきはイルカの出す「音」です。
イルカは、自分の周囲にクリックスとよばれる音を照射し、そのクリックスがあたった物体(餌など)から跳ね返ってきた音を受信することで、対象物体との距離やその性質を認識する「エコロケーション」の能力をもっています。
特に、イルカは狩りをするときに「バス音」と呼ばれるクリックスを照射することが知られており、このバズ音を録音することで「イルカが狩りを試みた」ことを間接的に知ることができます。
研究チームは、ネズミイルカ1個体が1日のどのぐらいの時間、バス音を発しっているか調べました。その結果、ネズミイルカは1日の60%もの時間にてバズ音を発していることが明らかとなりました。これはつまり、ネズミイルカは1日の60%を狩りに費やしていることを示唆します。

研究チームは、イルカが1回の採餌で1匹の魚を捕まえていると考えると、ネズミイルカは1日で1000匹以上の小さい魚を採餌していると概算しています。
動物は餌をとるためにもエネルギーを必要とします。そうなると、1日の60%をも採餌に費やしているネズミイルカは、餌をとるエネルギーに対して、生きるために必要なエネルギーをどうやって獲得できているのでしょうか?
ここでいう「獲物を捕らえるために、どれだけのエネルギーをつかうか」を評価する一つの方法は、呼吸量を調べることです。
これは、全速力で走った後は息が上がることを考えてみれば直観的に理解しやすいと思います。つまり、運動量(エネルギーの消費量)が大きいほど、息が上がるということです。
研究者たちは、イルカが採餌を試みた後の呼吸(息つぎ)について調べた結果、ネズミイルカが狩りに費やすエネルギーが少ないことを発見しました。
これらの発見を簡単にまとめると、「低コストの狩りの戦略をとることで、ネズミイルカは体温を保持するのに必要なエネルギー需要を満たすことができるが、そのためには長い時間を狩りに費やす必要がある」ということです。

「知能が高い」、「かしこい」など、イルカに対してスマートな印象をもつ人は多いかと思います。
私たちの目に映るイルカ、つまり水面近くでみることができるイルカの姿は、優雅に泳ぎを楽しんでいるようにみえます。
しかし、実はイルカは生きていくために、常に魚を追っかけ続けなければならないというハンデを背負っていたことが、今回の研究で明らかになりました。
私たちがイメージする「スマート」で「優雅」なイルカ像とは異なり、当のイルカたちは生きるために必死なようです。
かつて、野生のイルカ研究のパイオニアであるケネス・ノリス博士は「イルカたちの生活のほとんどは、私たちの目にはみえない水面下で営まれている。私たちはあらゆるテクノロジーを駆使して水中の世界を観察することで、水面下に広がるイルカの本当の暮らしを理解することができるだろう」と述べています。
最新のテクノロジーと生物学が交差するとき、私たちのイメージするイルカ像は覆されていくことでしょう。

























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中型以上の鯨類にとって効率の悪い小さな餌を小型のネズミイルカが資源にするのは、競争相手がいないという点では良さげですね。また、シャチなどの捕食者から見て、ネズミイルカ以外にめぼしい餌のない海域で群れを作らずに暮らせば、狩られる心配も減りそうです。
ベルクマンの法則に逆らって高緯度の海でちっちゃい体で生活するとなると、記事にあるように体熱の産生も大変そうです。逆に基礎代謝の熱を捨てるのに四苦八苦する大型海獣と逆で、餌を獲りがてらの運動の副産物の筋肉の発熱で効率よく体温維持しているかもですね。
他方危惧するのは、起きてる間じゅう餌の魚を狩り続けることができるだけの近海の豊かな漁場に棲息するということは、漁業混獲が頻繁に起こるということなので、個体数維持が心配になります。