人間の歯科医に代わって治療する「ロボット歯科医」が登場
Perceptive社の創設者兼CEOであるクリス・シリエロ氏は、カナダで生まれ育ち、歯科大学を卒業後、カナダの田舎で働きました。
その時に彼が気づいたのは、「この地域には、すべての患者を治療できるほどの歯科医がいない」ということでした。
国や地域によっては歯科医が不足しており、今後、その傾向は加速するかもしれません。
シリエロ氏はこうした課題に対処するため、人間の代わりに素早く処置できるロボット歯科医の開発に取り組むことにしました。
そして彼のチームは実際に、高度な画像処理とAI、ロボット工学を活用したロボット歯科医を作り上げました。
ロボット歯科医を用いた治療は、いくつかのプロセスに分かれています。
まず光干渉断層撮影法(OCT)と呼ばれる「光の干渉性を利用した測定技術」により、歯、歯茎、歯の内部の神経を含む口の詳細な3Dモデルを作成します。
約90%の精度で空洞を自動的に検出し、初期の小さな虫歯だけでなく、奥歯の間の虫歯なども正確に見つけることができます。
この情報を元に、人間の歯科医と患者が話し合い、どのような治療を行うか決定されます。
そしてここからは、人間の歯科医とロボット歯科医がバトンタッチします。
実際に歯を削って治療するすべての作業をロボット歯科医が自律的に行うのです。