便秘は「よくある健康トラブル」?それとも「重大な問題」?
便秘は、特に高齢者や女性に多い症状で、世界人口の約14%が抱えている健康トラブルです。
この数字が示すように、何日か便が出ないことで苦しんでいる人は少なくありません。
ただ研究チームは便秘が「よくある健康問題でありながら、その危険性が見過ごされがち」だと警告を発しています。
確かに、よほどの重症状態でない限り、単に便が出にくいという問題を危険視する人はあまりいないでしょう。
しかしマルケス氏らの新しい研究によると、実は、この症状が別の重篤な症状と関連している可能性があるというのです。
それが心臓発作です。
心臓発作は命に関わる病気なので、便秘と心臓発作が関連するとしたら看過できない問題です。ただ、この二つがどうして関連するのでしょうか?
マルケス氏も次のように述べています。
「心臓病はこれまで、高血圧や肥満、喫煙などを主な原因として考えてきました。
しかし、これらの要因だけで重大な心臓病の発生を完全に説明することはできません」
そのため、マルケス氏ら研究チームは、心臓発作・脳卒中・心不全などの発症と、それによる死亡を含む「主要心血管イベント(MACE)」が、主要な原因とされる問題以外に、どのような要因と関連するかを調べ直すことにしました。
これまでの研究では、便秘と高血圧の関連性が示されており、このことから心臓病と便秘も何らかの関連があるという考えがあります。
そこで今回、研究チームは、便秘がMACEの発生リスクを増加させるかもしれないと考え、この2つの関連性に焦点を絞って調べました。