人と犬の「脳波」はシンクロしているのか?
犬は人類にとって最良のパートナーです。
人と犬の歴史はとても古く、最も古い推定では約4万年前に家畜化が始まりました。
もう少し詳しく言うと、オオカミが人間の食べ残しに集まるようになった中で、次第に両者の関係性が深まり、その中でも特に人間になついた一群が犬になったとされています。
研究主任のヨン・チャン(Yong Zhang)氏は「家畜化の長い歴史の中で、犬は人間との親密なコミュニケーション能力を発達させてきました」と説明。
「人の表情や行動、声のトーンなどのシグナルを読み取り、飼い主の意図を理解するように進化してきました。
こうして人と犬との相互作用は、他の家畜や動物にはあまり見られないレベルにまで達したのです」と話します。
その一方で、人と犬との絆の深さが脳活動にどのように反映されているかはわかっていませんでした。
例えば、お互いの絆が本当に深まっている状態であれば、それぞれの脳波がシンクロする傾向が見られます。
脳波のシンクロは他者との共感性や協調性、社会的つながりが高まっていることを指し示すものです。
人と犬は外目にはとても仲良く見えていますが、もし両者の脳波がバラバラであれば、実際には絆が深まっていないことを意味します。
そこで研究チームは新たに、人と犬が交流しているときの脳波を調べてみました。