恐竜がいた時代、果物はほとんど存在しなかった?
恐竜が地球上を支配していた時代、現在のような豊かな果物はほとんど存在していませんでした。
当時の植物は小さな種子を持つものが大半で、果実を実らせる種類はごくわずかだったのです。
では、なぜ恐竜がいた時代に果実が進化しなかったのでしょうか?
その理由は、巨大な草食恐竜、特に竜脚類(Sauropods)と呼ばれる長い首を持つ恐竜たちの存在にあります。
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彼らは「生態系エンジニア」としての役割を果たし、森の木々をなぎ倒しながら大量の植物を食べていました。
このように森林が恐竜によって頻繁に攪乱(かくらん)されることで、背の高い植物が減少し、太陽光が地表まで届きやすくなり、種子のサイズが小さい植物が優位に立っていたのです。
太陽光が地表まで届くのなら、植物たちは光をめぐる競争をする必要がなく、背の低い場所でも十分に繁殖することができます。
しかし6600万年前に恐竜が絶滅すると、状況が一変しました。
森林は再び密集したことで光をめぐる競争が激化し、地表まで太陽光が届きにくい環境が生まれました。
この環境変化が、種子や果実の進化を大きく変えることになったのです。