空から飛来する触手ドローンが物体を「そっと」つかむ

開発されたSpiRobsは、タコやゾウの動きをロボットに適用することで、繊細な対象である卵やイチゴを傷つけることなく掴むことができます。
また、自身の260倍の重さの物体を持ち上げることも可能です。
さらに、対象物の形や大きさに自動的に対応できるため、これまでのロボットでは難しかった様々な物体をも掴むことができます。
また今回研究チームは、異なるサイズのプロトタイプを開発しました。
ミニチュア版では、昆虫のような小さな対象を掴むことに成功しました。
中型版では、日常的なオブジェクト(ペンや果物)を柔軟に掴むことができました。

大型版では、ドローンに搭載し、遠隔操作で物体を捕獲するシステムを開発しました。
その姿は、まるで空から飛来した触手生物のようにも見えます。
これら複数の例から、「SpiRobsはさまざまな環境で活躍できる汎用性を持つ」と言えるでしょう。
この技術が本格的に実用化されると、さまざまな分野での活用が期待されます。
医療や介護分野では、高齢者の補助ロボットとして物を優しく掴み、サポートすることも可能です。
同じように、宇宙開発、産業や物流の分野でも利用できるでしょう。
「対数螺旋」という自然界のデザインを活かしたSpiRobsは、単なるロボット技術の進化ではありません。
それは、生物の知恵を応用した「新たな生命体」のような技術なのです。