キリンをコブだらけにした原因は?

キリンに多くのコブが形成されている原因については、詳しい調査が進められている段階です。
それでも専門家たちは、このキリンの体を覆うコブはパピローマウイルスによるものだと考えています。
現在、パピローマウイルスには多くの種が存在していますが、このキリンの原因となったのは、ウシによく見られる「Bovine papillomaviruses (BPV)」の可能性が高いようです。
このウイルスは馬にも感染することで知られています。
BPVに感染すると、写真のキリンのように皮膚にイボが発生するのです。
大きなイボは出血することもあり、これによって二次感染に繋がる可能性もあります。
では、なぜキリンがBPVに感染したのでしょうか。

専門家たちは、ウシツツキ属の鳥が媒介したと考えています。
この鳥は、ウシ、シマウマ、カバ、サイ、キリンなどの大型哺乳類に止まってダニや寄生虫、動物の血液を食べる習性があり、この鳥が動物から動物へとBPVを広げているのです。
この病気は命に関わるものではありませんが、キリンに対しては特定の治療法がなく、見守るしかありません。
ちなみに、キリンにパピローマウイルスが感染するのは初めてではありません。
2007年には同じ地域で2頭のキリンに同じことが起こりました。
この病気は急速に広がる恐れがあるため、2頭は安楽死させられました。
とはいえ現時点では、新しく見つかったコブだらけのキリンを安楽死させる予定はなく、今後も獣医たちにより監視が続けられます。