ソーシャルメディアが「妄想」に与える影響とは?
現代社会では、SNSなどのソーシャルメディアの使用が一般的になっています。
世界中で20億人以上がソーシャルメディアを積極的に利用しています。
また2020年には、カナダの成人の94%がソーシャルメディアにおけるアカウントを1つ以上持っていると報告されています。
アメリカでも10代の若者の97%が毎日インターネットを使用しています。

しかし、特に若年層では、日々のコミュニケーションがデジタル空間に移行したゆえ、多くの人がオンラインでの自己と現実での自己のギャップを抱えるようになっています。
そしてソーシャルメディアが人々の心理に与える影響については未解明の部分が多く、特に精神疾患との関連性についての研究はまだ発展途上です。
そこで研究者たちは、ソーシャルメディアが精神疾患、特に妄想的傾向のある疾患にどのような影響を与えるかを検証することにしました。
2004年から2022年までに発表された2623件の研究の中から、査読付きの学術誌に掲載され、統計データを含む研究を中心に選定し、その155本の論文を分析したのです。
この研究では、精神疾患ごとのソーシャルメディア使用傾向と、ソーシャルメディアの特性がどのように影響を与えるのか分析しました。