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Credit: NASA Goddard – Largest Organics Yet Discovered on Mars(youtube, 2025)
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火星で「史上最大の有機分子」を発見!ついに生命の痕跡か? (2/2)

2025.03.26 12:00:21 Wednesday

前ページ火星には約37億年前に「湖」があった

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史上最大の有機分子は何を意味する?

これ以前、火星で確認されていた有機分子は、炭素数が5以下の極めて小さいものばかりでした。

ところが、キュリオシティがカンバーランド試料を新たに調べた結果、炭素原子が10〜12個も連なる長鎖の有機分子が検出されたのです。

それらは「デカン(炭素10個)」「ウンデカン(炭素11個)」「ドデカン(炭素12個)」でした。

研究者らはこれらの有機分子について、試料中に保存されていた脂肪酸の断片と考えています。

脂肪酸は、地球上では生命の化学的構成要素の一つとされる有機分子です。

生物は脂肪酸を生成して細胞膜を形成したり、さまざまな生理機能を果たしたりしています。

つまりは火星上でも生命を形作る化学反応が起こり得ていたことを示しているのです。

しかし一方で、研究者らは「脂肪酸は生物がいなくても、例えば熱水噴出孔での水と鉱物の相互作用など、さまざまな非生物的プロセスによって引き起こされる化学反応を通じて生成されることもあるため、これが直ちに生命の痕跡であるとはいえない」と注意しています。

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試料採掘の跡/ Credit: NASA Goddard – Largest Organics Yet Discovered on Mars(youtube, 2025)

とは言っても、これまでで最も大きな火星の有機化合物が見つかったという事実だけで、キュリオシティの科学者チームにとっては非常に重要な発見となります。

今回のようなより大きな化合物が見つかったことは、火星上の有機化学が「生命の誕生」に必要な複雑性へと進んでいた証拠となるからです。

それと同時に、こうした有機化合物の存在は「バイオシグネチャー(生命の存在を示す指標)」と呼ばれる、生命が存在する場合にのみ生成されるような大きな有機分子が、長期にわたって火星に保存されうることを示しています。

これは今後の調査で、火星に生命の痕跡が見つかる可能性を高めるものです。

その一方で、火星に送れる分子検出装置には限界があると科学者たちは認めています。

そこで研究チームは今後、火星のサンプルを地球に持ち帰って、より詳細に生命の痕跡を探していきたいと話しています。

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火星で「史上最大の有機分子」を発見!ついに生命の痕跡か? (2/2)のコメント

ゲスト

水はダイヤモンドを作る超酸に変わることができる の記事を見たあとじゃ生物関係なく炭素鎖できても不思議はないと思えてしまう

通りすがりの名無し

『しかし一方で、研究者らは「脂肪酸は生物がいなくても、例えば熱水噴出孔での水と鉱物の相互作用など、さまざまな非生物的プロセスによって引き起こされる化学反応を通じて生成されることもあるため、これが直ちに生命の痕跡であるとはいえない」と注意しています。』

これが全て。
長鎖アルカン分子なら、大気中にメタンガスが含まれる星ならある程度どこでも見つかるだろう。
隕石からアミノ酸や核酸塩基も検出されているくらいなので、「生命の痕跡」を主張するにはよほど複雑な分子がセットで見つからないと説得力が無いと思う。

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