健康な後半生につながる食事メニューとは?
今回の研究では、米国の2つの大規模データを用い、 1986年から2016年まで、計10万5015人(39〜69歳、平均年齢53歳、男性34%・女性66%)の食生活と健康状態を最大30年間追跡しています。
参加者は定期的に食事に関するアンケートに回答し、研究者らはその内容が8つの健康的な食事パターンのどれにどれほど従っていたかをスコア化しました。
8つの食事パターンとは
・代替健康食指標(AHEI)
・代替地中海食指標(aMED)
・高血圧予防食(DASH)
・地中海DASH介入食(MIND)
・健康的植物ベース食(hPDI)
・プラネタリーヘルスダイエット指標(PHDI)
・経験的炎症性食事パターン(EDIP)
・高インスリン血症経験的食事指標(EDIH)
です。
これらの食事パターンは、果物、野菜、全粒穀物、不飽和脂肪、ナッツ、豆類などの「植物性食品」、肉や魚、特定の乳製品などの「動物性食品」、多くの添加物を含む「超加工食品」の摂取量の違いや組み合わせによって区別されています。

そして調査の結果、代替健康食指標(AHEI)のスコアが最も高かった人たちは、最も低かった人たちに比べて、70歳時点で健康的に加齢している可能性が86%高く、75歳まで健康を保っている確率は2.2倍にまで跳ね上がっていたことが判明したのです。
AHEIに基づく食事とは、果物、野菜、全粒穀物、ナッツ、豆類などの「植物性食品」を日常的に多く摂取しながら、肉や魚などの「動物性食品」は少量〜中程度に適度に摂取しながら、「超加工食品」の摂取を極力抑えたパターンを指します。
こうした食事パターンを中年期から続けていた人は、高齢になっても認知、身体、精神の各機能において一貫して高いスコアを示していました。
一方で、特に加工肉や糖分を多く含む飲料、あるいはダイエット飲料といった超加工食品の摂取量が多い人ほど、健康的な加齢の可能性は低くなっていました。
超加工食品とは、人工添加物や糖類、ナトリウム、不健康な脂肪を含むことの多い、工業的に製造された食品を指し、以下のようなものが挙げられます。
・アイスクリーム、チョコレート、キャンディー、グミなどの菓子類
・ハム、ソーセージなどの加工肉
・ポテトチップス、ビスケット、クッキーなどのスナック菓子
・大量生産される菓子パン
・朝食用のシリアル、シリアルバー、エネルギーバー
・炭酸飲料、栄養ドリンク、乳飲料
・人工添加物を多量に含んだ惣菜
・インスタントのカップ麺やソース調味料
超加工食品が体に悪いことはよく知られていますが、やはり健康的な老後を過ごしたいなら、若い頃から超加工食品の摂取をなるべく減らした方が良さそうです。
今回の研究は、長寿だけでなく「人生をどう元気に生きるか」という視点から食生活の重要性を改めて示しています。
普段の食事をほんの少し意識するだけで、30年後の自分が笑顔でいられる可能性がぐっと高まるかもしれません。
未来の健康のために、今日のメニューを少しだけ見直してみてはいかがでしょうか。