1日数円の寄付で「うつ症状が改善」
チームは中国国内の大学生、延べ883名を対象に実験をスタート。
参加者には軽度から中等度のうつ症状を抱える若年層が含まれています。
参加者を無作為に2つのグループに分け、一方には毎日少額のオンライン寄付(最低0.01元=0.2円程度)を自発的に行ってもらい、もう一方は何も介入を行わない対照群とし、これを約2カ月(8週間)にわたり実施しました。
参加者には週1回あるいは月1回、うつ症状や感情のポジティブさを測定するアンケートに回答してもらいました。
その結果、寄付を行ったグループでは、うつ症状が有意に軽減され、感情のポジティブさも向上することが示されたのです。
中には、うつ症状が実験前より50%以上軽減したり、臨床的なうつの基準を下回るスコアになったりするケースも多く見られました。

とくに注目すべきは、寄付額が非常に少額(1円以下)であっても効果が現れたことです。
この効果は、いわゆる「ウォームグロー(warm glow)」―善いことをしたときに得られる心の温かさ―によるものであると研究者らは指摘しています。
実際に寄付を行った人たちからは「気分が軽くなった」「たった1元の寄付でも誰かとつながっているような気持ちになった」「毎日の生活に意味が生まれた気がする」といった声が寄せられました。
これは寄付という行為が単なる経済的支援にとどまらず、人とのつながりや自己肯定感の回復に貢献していることを示唆しています。
また、最低金額よりも高いお金を寄付していた人は、うつ症状の改善効果が有意に高まっていたことを示されました。
1日たった数円の寄付であれば、多くの人が無理なく続けられると考えられます。
私たちの1日1円は、世の中の誰かを救う手助けとなるだけでなく、私たち自身の心の健康にもつながるかもしれません。
毎日1000円貰ったらぼくのうつ症状も改善するんだが