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Credit: NASA/JPL-Caltech/University of Arizona(2025)
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火星をひとりぼっちで探査する「キュリオシティ」が宇宙から捉えられる!

2025.04.29 23:00:40 Tuesday

2012年に火星へ降り立った火星探査ロボット「キュリオシティ」

それ以来、長きにわたって火星上をたったひとりで調査し続けてきました。

その姿はまるで、地球に取り残されたウォーリーのようです。

そんな中、NASAの火星探査機「マーズ・リコネサンス・オービター」が、宇宙空間からキュリオシティを捉えることに成功したと報じられました。

調査の真っ最中のキュリオシティが宇宙から撮影されたのは初めてだといいます。

NASA Reveals First-of-Its-Kind Image of Mars Rover Seen From Space https://www.sciencealert.com/nasa-reveals-first-of-its-kind-image-of-mars-rover-seen-from-space NASA Orbiter Spots Curiosity Rover Making Tracks to Next Science Stop https://www.nasa.gov/missions/mars-science-laboratory/nasa-orbiter-spots-curiosity-rover-making-tracks-to-next-science-stop/

走行中のキュリオシティを撮影

「マーズ・リコネサンス・オービター(MRO)」は火星の周回軌道から火星を探査しています。

今回の写真が撮影されたのは、キュリオシティの火星探査開始から4,466火星日(ソル)目、地球時間で2025年2月28日のことでした。

火星の周回軌道にあるマーズ・リコネサンス・オービターは、搭載されている超高性能カメラ「HiRISE(高解像度画像科学実験)」を用いて、火星表面を詳細に撮影しました。

その撮影データを解析した結果、淡く赤茶けた大地に、小さな黒い点が移動しているのが見つかったのです。

これは走行中のキュリオシティでした。

キュリオシティの背後には、はっきりと続く一筋の灰色の線が見えますが、これは探査車の車輪が火星の土に刻んだ走行跡です。

キュリオシティの走行速度はとてもゆっくりで、最高時速0.16キロメートル、つまり人間の歩行速度の40分の1程度しかありません。

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走行中のキュリオシティを撮影/ Credit: NASA/JPL-Caltech/University of Arizona(2025)

なぜこんなにもゆっくりなのかというと、理由は2つあります。

ひとつはエネルギー効率です。

火星でできるだけ長く探査してもらうため、電力消費を抑える必要があり、そのために無駄な加速は避けています。

もうひとつは安全な走行です。

火星の地形は一様ではなく、柔らかい砂地や鋭い岩場、急な傾斜などが続きます。

ヘタに飛ばして転んだりすれば、起こしてくれる人もいないので、永遠に寝転んだままになってしれないのです。

写真に映った走行跡は、火星の激しい風によっていずれ消えてしまう運命にあります。

次ページキュリオシティはどこに向かっているのか?

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