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退職者の多い職場に長く留まる人の心理とは / Credit:Canva
psychology

皆が辞めていく職場に「長く残る人」が抱える”見えない辛さ”とは (2/3)

2025.07.08 11:30:33 Tuesday

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文化は変わるが「自分は変わらない」という違和感

時間が経つにつれて、企業の文化や価値観は大きく変化していきます。

新たなツールの導入、方針の転換、異なる世代のリーダーの登場などにより、企業は徐々に「昔とは違う組織」に姿を変えていきます。

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自分は「時代遅れだ」という感覚を抱くかも / Credit:Canva

その変化に対して、長期勤務者が抱きやすいのが、「自分は時代遅れだ」という心理です。

仕事は単なる労働ではなく、自分の能力や存在意義を確認する場でもあります。

しかし、周囲の文化が変わることで、自分の働き方や価値観が次第に「場違い」になっていくような感覚が芽生えてしまいます。

「かつての仲間たちと築いてきたやり方が、もはや通じない」

このような感覚は、自己イメージと職場の現実のズレを引き起こし、自分がまるで過去の遺物になったかのように感じさせます。

さらに、このような長期残留には、職場の「サバイバー症候群」と呼ばれる心理状態も伴います。

本来これは、大規模なリストラなどで”生き残った”社員が抱く、罪悪感や喪失感を指します。

しかし、レイカー教授はこれを「通常の離職状況においても同様の心理が生じうる」と述べています。

「自分はなぜここに残っているのだろう」と感じてしまうのです。

こうした静かな疑問と自責感が積み重なると、「ここにいる自分」の価値が見えにくくなり、心理的な疲弊に拍車をかけてしまうのです。

次ページ「残る」ことを自分の意志に変えるために

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