
・世界でも稀少な鳥リベリアヒヨドリは実在しなかった可能性
・外見が似ているコキバラオリーブヒヨドリの、栄養失調で羽根の色が変化した姿という説が濃厚
アバディーン大学のマーティン・コリンソン氏率いる研究チームは、世界でも稀少な鳥リベリアヒヨドリが実在していない可能性が高いことを発表しました。
https://doi.org/10.1007/s10336-017-1477-0
リベリアヒヨドリは、1980年頃にリベリア東部のカバリャ森林で発見されました。体全体は黄緑色で尻尾は茶色、羽根に白い斑点がある見た目をしています。リベリアヒヨドリは見た目がコキバラオリーブヒヨドリという鳥類に似ていますが、羽根にある斑点から第一発見者は別種と考えました。
その後、9箇所でリベリアヒヨドリが発見され、実物を捉えるまでに至っています。そして、1984年に論文を発表してリベリアヒヨドリが新しい鳥類として認められました。
しかし、その後数十年の間でリベリアヒヨドリが発見されることはありませんでした。その理由として一方では、1990年代後半からリベリア国内で起こった紛争で調査が難航したためだと言われていました。また、他方では種自体そもそも存在しないためだと声が上がっていました。
リベリアヒヨドリの存在を確認するために、2010年と2013年の2度に渡って調査が行われました。しかし、そこでもリベリアヒヨドリは発見されませんでした。そこで、国際研究チームは方針を変えて以前捕獲されたリベリアヒヨドリのDNAを調べることにしました。
2つの独立した研究チームがそれぞれ、リベリアヒヨドリとノドジロミドリヒヨドリ、コキバラオリーブヒヨドリの3種をDNA鑑定で比較調査しました。その結果、外見が似ていると言われていたリベリアヒヨドリとコキバラオリーブヒヨドリには遺伝的な差異がほとんどありませんでした。
この研究結果から、コキバラオリーブヒヨドリが栄養失調で羽根の色が変化したという説が濃厚になりました。
研究チームのマーティン・コリンソン氏は、「リベリアヒヨドリとコキバラオリーブヒヨドリは同種であると断定できません。しかし、その可能性は非常に高く、他の仮説の見込みはほとんどないでしょう」と述べました。
リベリアヒヨドリの存在は未だに謎ですが、他の場所へ移住した可能性や発見される前に絶滅した可能性も考えられるでしょう。
via: ScienceAlert / translated & text by ヨッシー




























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