
その名も “カクレガメ(Mary river turtle)”。緑のモヒカンがなんとも「パンク」な彼らが絶滅の危機にあります。
体長40センチほどの彼らは、オーストラリアのマルィー川(Mary river)でのみ見ることができます。ロンドン動物学会がまとめた爬虫類の絶滅危惧種リストに今回、この亀が載ることになりました。
カクレガメの特徴はなんといってもその「髪型」ですが、彼らはあまりにのんびり屋で動かないため、「藻」が生えてしまうようです。さらに、その呼吸法も独特。彼らは生殖口と排泄口を兼ねる「総排泄孔」という器官を通して酸素を体内に取り込み、なんと72時間も水面に潜っていられるのです。つまり、彼らはおしりでロング・ブレスをしていることになります。
動画はレアな「泳ぐ様子」。こちらは藻が育っておらず「パンチパーマ」レベル。
そんな、かなり特殊な生態をもつカクレガメですが、それが功を奏した出来事があります。2009年にダムの建設により絶滅危惧種のすみかが奪われようとしていたとき、この「緑モヒカン」の写真が環境保護団体によって使われました。絶大なインパクトを誇るこの写真は話題を呼び、最終的にはダム建設を白紙に戻すことに成功したのです。
それでもなお、カクレガメが現時点で絶滅の危機にあることに変わりはありません。こんなに「パンク」な見た目の彼らですが、以前はペットとして飼われていたほど、性格は従順で穏やか。
くしくも絶滅寸前のパンク・ロックと同じ運命を辿らないように、なんとか生き残ってもらいたいものです。
via: theguardian, sciencealert / translated & text by なかしー
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