法で裁けない放火魔が野生にいるようです。しかもその起源は、人間が火を使うようになるよりも古いかもしれません。
現在オーストラリアは異常気象に見舞われ、最高気温を更新し続けています。その結果として、広い範囲で森林火災が起こっています。
しかし消防士たちがこの火消しをしようと必死になっている一方で、火災を広める不届き者がいるらしいのです。それはなんと、野生の猛禽類の鳥たちです。
“Intentional Fire-Spreading by “Firehawk” Raptors in Northern Australia,” Bonta et al. Journal of Ethnobiology, 37(4) (abstract): https://t.co/JJVomc5zDy #ethnobiology #ethnoornithology #birds #fire pic.twitter.com/Bv4oSA6BpC
— Bob Gosford (@bgosford) 2018年1月1日
この鳥は、オーストラリアの現地民から「ファイアーホーク・レプター(firehawk raptors)」と呼ばれています。なんとこの鳥たちが意図をもって、燃えている枝をくちばしや鉤爪を使って運び、火災を広げているというのです。しかも、火事が広がらない水場や、消防士たちが火事が広がらないように伐採した緩衝地は避けているとのこと。
こういった行動をする鳥は3つの種に分類されます。トビ(Milvus migrans)、フエフキトビ(Haliastur sphenurus)、そして茶色ハヤブサ(Falco berigora)です。
では、なぜ鳥たちはこのような行動をするのでしょうか。
それは、彼らが狩りをする鳥である猛禽類であることと関係があります。つまりファイアーレプターたちは、火災で行き場を追われ、飛び出してきた陸上の動物を狙って狩りをするのです。そしてその狩場を増やすために放火をしていると考えられています。
現地民の言い伝えによると、こういった行動はおそらく40,000年以上も前から知られていたといいます。もしかすると、人間が火を使う以前から、鳥たちは火を使っていたのかもしれません。