手放すこととは何か?4つの「今の自分に不要なもの」
「手放す」というと、持ち物を整理する“断捨離”のようなイメージを持つ人が多いかもしれません。
しかしタイビ氏が語る「手放す」こととは、心理的に不要なものを削ぎ落とし、人生を今の自分にアップデートすることです。
私たちは、知らず知らずのうちに過去の価値観や人間関係、感情や行動パターンに縛られて生きています。
それがストレスや生きづらさの正体かもしれません。
タイビ氏は、「人が手放すべきもの」として、次の4つを挙げています。
1. 所有物
クローゼットや押入れの中、あるいは実家に残されたままの段ボール箱。
何年も見ていない写真アルバムや、再生できないレコード、使われないベビーベッド。
これらは単なるモノではなく、「いつかの自分」が大切にしていた過去の断片です。
こうしたモノを捨てられないのは、「失うこと」への恐怖、あるいは「過去の自分とのつながり」を切ることへのためらいからです。
しかし、それが今のあなたにとって不要であるなら、人生の空間と時間を奪っている可能性があります。
2. 人間関係
長年の友人との関係や、過去の恋愛相手とのつながり。
「昔は大切だったけど、今は話すことも合わないし、なんとなく続いている」という関係はないでしょうか?
こうした関係は、実は心のどこかで「義務感」や「罪悪感」で繋がっていることが多いです。
共通の話題が“思い出話”だけになったとき、その関係はすでに役目を終えているかもしれません。
3. 後悔
「もしあのとき別の選択をしていたら……」という後悔は、過去への執着の最たるものです。
タイビ氏は、後悔を手放すにはまず「『もう手放す』と自分に言い聞かせ、そう決断する」ことが重要だと述べています。
そして、「そのときの自分は最善を尽くしていた」と信じることです。
後悔がいつまでも心に残るのは、「自分を罰し続けなければならない」とどこかで感じているから。
しかし、それは事実とは異なる見方を強化し、現在の判断力を鈍らせる要因にもなります。
過去を責める物語を、学びの物語に書き換えることで、前に進むことができるのです。
4. 悪習慣
やめたいけどやめられない習慣。
それは飲酒かもしれないし、寝る前のSNSチェックかもしれません。
あるいは、会話中に人の話を遮ってしまう癖、衝動買い、時間管理の問題でしょうか。
こうした習慣は、脳に染みついた「自動運転」の行動パターンであり、意志の力だけでは変えにくいといわれます。
だからこそ、手放すポイントは「止める」ではなく、「置き換える」ことです。
新しい行動を事前に計画し、反復することで、脳に新しい神経回路を作ることが可能です。
いくらか時間が必要ですが、取り組む価値はあります。
では、こうした4つの点を自己吟味して「手放すべき」ものが分かったなら、どうすべきでしょうか?
手放した時の感情を理解し、実際に手放すためのステップに入りましょう。