画像
子どもの感情を軽視する親の言動とは? / Credit:Canva
psychology

実は「子供の気持ちの軽視」していた親の言動とは?

2025.10.10 06:30:17 Friday

「感情を出すのが怖い」とか、「自分の気持ちは間違っている」と感じることはありませんか。

もしかしたらその気持ちは、子どもの頃の経験が原因かもしれません。

アメリカの臨床心理士ジョニス・ウェブ(Jonice Webb, Ph.D.)は、感情を認めること(エモーショナル・バリデーション:emotional validation)の重要性について長年研究してきました。

彼女は、子ども時代に感情を受け止められなかったり無視されたりした経験が、その後の人生にどのような影響を与えるかを明らかにしています。

10 Ways You May Have Been Emotionally Invalidated as a Child https://www.psychologytoday.com/us/blog/childhood-emotional-neglect/202510/10-ways-you-may-have-been-emotionally-invalidated-as-a

感情を認める 「エモーショナル・バリデーション」とは?

子どもが健やかに成長するためには、衣食住などの物理的なケアだけではなく、心のケアも欠かせません。

その中心にあるのが、エモーショナル・バリデーション(emotional validation)です。

エモーショナル・バリデーションとは、子どもが感じていることを否定せず、「あなたの気持ちは大切だよ」と受け止め、理解しようとする態度のことを指します。

たとえば子どもが学校で悲しい思いをして帰ってきたとき、「そんなことで泣かないの!」と否定するのではなく、「つらかったね」と共感し、話を聞いてあげることがエモーショナル・バリデーションの実践です。

このような経験を積み重ねることで、子どもは「自分の感情は大事にされている」「自分はここにいてもいいんだ」と感じられるようになります。

反対に、子どもの気持ちが十分に認められなかった場合、「自分の感情はおかしいのかも」「感じること自体が悪いのかも」と、自分を否定する思考が知らず知らずのうちに染みついてしまいます。

ウェブ博士は、エモーショナル・バリデーションが十分に与えられず、子どもの感情が見過ごされることを「子ども時代の感情的ネグレクト(childhood emotional neglect)」と呼んでいます。

これは必ずしも親の愛情が足りなかったわけではありません。

多くの場合、親自身がエモーショナル・バリデーションの重要性やその方法を学ぶ機会がなかったために、無自覚のうちに起きるものです。

そうした背景にあって、子どもが感情を認めてもらえない経験を重ねるなら、大人になってからも「感情を表現するのが不安」「自分の気持ちは理解されない」と感じやすくなります。

自己肯定感が低下したり、人とつながることへの安心感が揺らいだりする“生きづらさ”を生み出すのです。

では、どのような親の態度や行動が、子どもの感情を軽視することにつながるのでしょうか。

次項で具体的な例を見てみましょう。

もしかしたらあなたも経験したかもしれません。

次ページ子どもの気持ちの軽視する“親の言動”とは?

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

心理学のニュースpsychology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!