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5回の「なぜ?」で、動き出せない根本原因を見つける方法 / Credit:Canva, ナゾロジー編集
psychology

「ひらめき」に繋がる内省の質問【5回の”なぜ?”が重要】

2025.11.03 06:30:47 Monday

「やりたいのに行動に移せない」「大事だと思っているのについ先送りにしてしまう」

このような難しさを、多くの人が一度は感じたことがあるのではないでしょうか。

心理学者アリス・ボイズ博士(Alice Boyes, Ph.D.)は、こうした課題に直面したとき、「5 Whys(5回のなぜ)」というシンプルな自己分析法が役立つと教えています。

たった5回の「なぜ?」が、心の奥に潜む原因を見つけ出し、行動に移す助けを与えてくれるかもしれません。

A Self-Reflection Question That Can Lead to an Epiphany https://www.psychologytoday.com/us/blog/in-practice/202510/a-self-reflection-question-that-can-lead-to-an-epiphany

5 Whys(5回のなぜ)でたどり着く、あなたの本音

私たちが抱える“行動の壁”や“内なるブレーキ”は、しばしば表面的な理由で説明されがちです。

けれど本当は、その奥深くに“自分でも気づいていない根本原因”が隠れていることが多いのです。

ボイズ博士が提案する「5 Whys(5回のなぜ)」は、その原因を自分の中から掘り出すための、とてもシンプルな自己分析法です。

やり方はいたって簡単。

まず、「なぜ私は○○できないのだろう?」と問い、その答えに対してさらに「なぜ?」と重ねていきます。

これを5回ほど繰り返すことで、最初は気づかなかった“本当の動機”や“自分だけの思い込み”が現れてくるのです。

具体的な例1:

では、例題を考慮してみましょう。

ある人(架空の人物アシュリーとします)が「肖像画を描けるようになりたいのに、なかなか動き出せない」という状況にあります。

彼女は次のように「なぜ?」と自分に問い、自分の答えからさらに「なぜ?」を重ねていきます。

  1. なぜ学ばなかったの?
    「大事なことに思えなかったから」
  2. なぜ大事に思えなかった?
    「仕事や育児のほうが大切に感じたから」
  3. なぜそれらが大切に思えるの?
    「それが理にかなったこと、論理的に考えて優先事項のように思えるから」
  4. なぜ合理的かつ論理的な優先事項にしか集中できないの?
    「それが安心だし、責任を感じるから」
  5. なぜ合理的でないことを優先すると不快に感じるの?
    「常に“生産的であるべき”だと感じるから」

こうして5回“なぜ?”を重ねるうちに、表面的な「忙しいから」ではなく、「生産的なことしかやってはいけない」という自分なりの思い込みに気づきました。

ここでアシュリーは、「人を喜ばせることも、十分“生産的”なはずだ」と発想を転換し、行動に移すきっかけを得ました。

この「5 Whys」の本当の強みは、“答え”そのものではなく、“問いかけを重ねるプロセス”にあります

最初の理由だけで納得してしまうと、問題は曖昧なまま。

しかし「なぜ?」を繰り返すことで、より個人的な“こだわり”や“無自覚な思い込み”があぶり出されてきます。

また、どこまで深掘りするか、どんな答えが出るかは人それぞれです。

必ずしも5回きっちりやる必要もありません。途中で「これだ」と思う“根っこ”が見つかれば、そこで止めてもOKなのです。

では次項で、もう1つの例とコツも見てみましょう。

次ページ5 Whysを実践してみよう!コツと応用

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