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太陽を反射し水分を集める屋根塗料 / Credit:Canva
science

太陽光を97%反射し”空気中の水分を集める”新塗料を開発 (2/2)

2025.11.04 11:30:18 Tuesday

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1日4.7L集める屋根へ。様々な用途で活躍するかも

この塗料の効果を検証するため、シドニー大学の研究チームは、大学の屋上で6か月間の野外実験を行いました。

実験では1平方メートルあたり最大390mLが1日に集まりました。

12平方メートルの屋根であれば、1日あたり約4.7L、つまり成人1人の1日分の飲み水をまかなえる以上の量です。

この「結露による水の収穫」は、1年のうち約32%(3日に1回以上)の頻度で観測され、雨が降らない期間でもいくらか安定的に水が得られることが分かりました。

さらに重要なのは、オーストラリア特有の厳しい直射日や天候のもとでも塗料の性能劣化が見られなかったことです。

顔料に頼る従来の白塗料と比べて、紫外線に強く、表面のギラつきも抑えられているため、都市部の住宅やビル、工場の屋根にも安心して使えます。

この塗料で集めた水は、日常生活の飲み水として使えるだけでなく、農業や工場、さらには新しい産業分野でも役立つと期待されています。

たとえば作物や動物への給水、工場でのミスト冷却、水素製造用の原料水など、多様な分野で活用できる可能性があります。

特にオーストラリアでは、すでに200万世帯以上が雨水タンクを利用しているため、この塗料を組み合わせれば「屋根が水工場」に変身する未来も夢ではありません。

現在、Dewpoint Innovations社がこの新しい塗料の製品化を進めています。

「屋根や壁に塗るだけで、涼しさと水を手に入れる」

そんな画期的な発明の今後に期待です。

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太陽光を97%反射し”空気中の水分を集める”新塗料を開発 (2/2)のコメント

クアッドマン

素晴らしいしかし経年劣化しないのはある種のなかせ塗装や泣かせ、ライバル会社の障害が予想されそうです。この塗料を使った既製品の屋根や壁材も出ると良いですね。

ゲスト

タトゥイーン?!

やまでら小僧

宇宙へ 放射される赤外線の影響はどうなんかな 良い報告でしょうか 悪い傾向でしょうか
オーストラリアのような過酷な環境には 良いのかな

奥大和

日本中の建物にこれ塗って少しでも湿度下がってくれないかな。建物びちゃびちゃになりそうですけども

安全性の評価が必要

PFOA、PFASも画期的な機能を謳って
長期間使用されてきたが現在大問題に
なっている
そのまままたは劣化時の環境中への流出、
飲料水への混入時の安全性を徹底的に
評価して欲しい

    ゲスト

    ほとんど経年劣化しないということは、中々自然に還らないということかも知れませんしね。
    少量なら問題ないと思いますけど、大量に流通するまでには影響調査と対策も並行して進めてほしいですね

ゲスト

放射冷却と水が生成される際の凝結熱とのバランスを知りたい

ゲスト

年中暑いとこだといいかもだけど冬とかは逆に暖房費が嵩みそう

鈴木

日本で、真価を発揮できるのでしょうか?
日本の道路で透水性舗装はすぐに泥で目詰まりするので、夜間に散水/ブラシ車が走り回って機能維持に津tめています。黄砂や煤煙、からっ風など埃の多い日本で目詰まりしないか心配です。冬が温暖で夏も暑くないシドニーと異なり、日本は寒暖の差が大きく降水量も多く、酸性雨傾向にあります。気候耐性はどうなんでしょう。
また、多湿な日本では、多孔質壁面はカビや地衣類の恰好の足場となりそうです。また、多孔質なために容易に汚れが付着し、洗浄しても落ちにくいのではないかと思ってしまします。そもそも梅雨時に外壁がベタベタの家っていやそうです。
近年の日本は、屋根上の太陽電池パネルからの反射による灼熱地獄が光害として住民問題になっています。光を効率よくまわりにばらまく家は、都市部では苦情の対象となるかもしれません。考えすぎでしょうか。

ゲスト

屋根一面に太陽光パネルをのせると
遮熱され太陽光の熱は家の中にほとんど伝わってきません
さらに強い雨が降っても雨は屋根に直接当たらないので
防音性に優れ、ほとんど雨音も聞こえません

発電した電力で除湿器を回せば1日20ℓ以上
災害時でも水を確保することができます
洗濯物を乾燥させると除湿した水に柔軟剤の臭いがするんですよね
まぁそれを飲むのか?って話ですけど

苔だらけになりそうな水よりまだましか

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