手紙の中に書かれていた言葉

109年遅れで届いた手紙には、何が書かれていたのでしょうか?
そこには戦地へ向かう2人の若者の当時の生の声が書き込まれていました。
マルコム・ネビルさんが綴った母親への手紙には、
お母さんへ。
ぼくは今、とても楽しくやっています。
食事も今のところ本当においしいです。
ただ一度だけ、とんでもなくまずい食事があったので、そのぶんは海に“埋葬”してしまいました。(=具合が悪くて吐いた/捨てた、の婉曲表現)
そのときはハーモニカ(mouth organ)の楽隊が、葬送行進曲を演奏してくれました。
かわいいバララット号(Ballarat)は、相変わらず大きく揺れたりローリングしたりしていますが、それでもぼくらは 「すごくご機嫌(happy as Larry)」 です。
あなたを愛する息子マルコム
加えて、手紙の最初のページには
「この瓶を見つけた方は、この手紙を母に届けてください」
というお願いの文章も書かれていました。
一方で、ウィリアム・K・ハーリーさんの手紙には、
グレート・オーストラリア湾のどこか(Somewhere in the Bight)にて。
この手紙を見つけてくださった方が、いまの私たちと同じくらい元気でありますように。
といった内容が記されていました。
ハーリーさんの母親はすでに亡くなっていたため、彼は「見つけた人が記念として持っていてよい」という趣旨を書き残していたと報じられています。
しかしなぜ100年以上も前の手紙が残っていたのでしょうか?
まず第一の要因は防水対策でした。
瓶にはしっかりとコルク栓が施され、海水や微生物の侵入を防ぐ構造になっていました。
また漂流時間の短さも重要な要因でした。
専門家の調査によると、この瓶は海に投じられてから長く漂流してはいなかったようです。
程なくして海岸に打ち上げられると砂丘の中に深く埋もれ、そのまま約1世紀もの眠りについたと考えられています。
もし瓶が海上で何十年も漂っていれば、日光で紙がボロボロになり文字も消えていたでしょう。
言わば砂丘そのものが「時を超えた守り神」となり、瓶と手紙を外界から隔離していたのです。
おかげで、ガラス瓶にはフジツボ一つ付着しておらず劣化もほとんど見られませんでした。
内部の紙は取り出した当初こそ湿っていたものの、乾燥させると109年前の文字がはっきり判読できる状態だったのです。
























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