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フィリピンマウンテン州サガダにある吊るされた棺/ Credit: ja.wikipedia
history archeology

「棺桶を崖に吊るす」葬送習慣をもっていた謎の民族、その正体を解明 (2/2)

2025.12.04 21:00:59 Thursday

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なぜ「空に棺」を吊るしたのか

「懸棺」が行われた理由については、歴史文献や現地の伝承、そして考古学・人類学的な考察がいくつかありますが、その本質的な動機は完全には解明されていません

ただし、論文・歴史記録には以下のような説明や解釈が記されています。

1. 吉兆・幸運を願う思想

元朝時代(1279–1368年)の歴史書『雲南略志』には、「高い場所に棺を置くことは吉兆とされる。棺が高いほど死者にとって幸運である」と記されています。

このことから、死者の魂が高い場所で安息し、霊的に守られることを願ったと考えられます。

2. 霊魂観・死後世界への配慮

ボー族の伝承や地域の民話では、死者の魂が「空を制する」「崖を越えていく」といった超自然的な存在とされてきました。

棺を空中に吊るすことで、死者の魂が大地から切り離され、より高い場所や天に昇ることを助けるという霊魂観が背景にあった可能性があります。

3. 現実的・実用的な理由

一部の研究者は、洪水や動物による荒らしから遺体を守るという現実的な理由もあったのではないかと指摘しています。

山岳地帯では地面に埋葬することが難しく、また湿気や土壌条件が悪い地域では高所安置の方が合理的だったとも考えられます。

4. 社会的・文化的シンボル

断崖絶壁に棺を吊るす行為そのものが、集団のアイデンティティや霊的な力を象徴する儀礼となり、周囲の集団との差異化や、共同体の一体感を強める役割も果たしたとみられます。

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「棺桶を崖に吊るす」葬送習慣をもっていた謎の民族、その正体を解明 (2/2)のコメント

鈴木

2000年前の懸棺遺跡が残っており、DNA採集ができるほどに保存状態がよいというのは、すごいことですね。
古墳時代の早期や沖縄の玉陵の被葬者は、骨になるまで1年程度、曝されて洗骨・納棺されるというのを聞いたことがあります。空中に棺をさらすと、さおかし臭ったでしょうし、臭い液がポタポタしてきたと想像します。
(残された遺族が存命中に、崖に吊るした棺がガッチャンガッチャン落ちるなら、そのような葬送儀礼は継続されないでしょうから)崖に杭を打って棺を吊るすという慣習が継続したということは、棺の素材や杭がカビや木食昆虫・気候劣化に耐えるだけの乾燥がありつつ、大雨や強風に晒されないなど特別な条件をえらんでいるのでしょうねぇ

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