なぜ古代蜂の「育房」だと判断できるのか
研究チームは、骨を壊さずに内部構造を確認できるマイクロCTを使い、歯槽などの空洞の中身を立体的に観察しました。
その結果、空洞内には楕円形の小さな部屋があり、内壁が滑らかに整えられていることが確認されました。
さらに、同じ空洞の中に「世代の異なる育房」が重なって残る例もあり、同じ場所が繰り返し使われた可能性が示されました。
研究者は、これを巣場所への「戻り」を示す手がかりの一つとして扱っています。
また、電子顕微鏡などを用いた分析では、育房の内側が多層で、外からの染み込みが起こりにくい低透水性の構造になっていたことが示されました。
これは「ただ土が固まった」だけでは説明しにくい特徴です。
ちなみに、これは骨を削って穴を開けたという話ではなく、遺骨に元からある空洞(歯槽や歯の内部、椎骨の管など)を入れ物として使い、その内部に育房を作ったという行動です。
では、その作り手はどんなハチだったのでしょうか。
研究者は、育房のサイズ、形、内壁の滑らかさなどから、巣穴を掘るタイプの中型のハチが作った可能性が高く、候補としてコハナバチ科(Halictidae)を挙げています。
また、花粉粒はごく少量しか見つからなかったと報告されており、育房が実際に使われ、幼虫が成長して巣を出た結果として、食料として蓄えた花粉が残りにくい状況とも整合します。
この研究の意義は、奇抜な見た目だけにありません。
ハチの行動は、体そのものが化石として残りにくいため、過去を直接たどるのが難しい分野であり、今回のような行動の痕跡は重要な証拠となります。
洞窟で見つかった骨の山は、ただの捕食の残骸ではなく、別の生き物が次の世代を育てるために使い回した生活の舞台でもあったのです。




























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