雨粒が坂を転がると侵食力が10倍になる
これまでの土壌侵食の研究では、雨粒が地面に衝突した瞬間に起きる「スプラッシュ侵食(飛散侵食)」が主な関心対象でした。
雨粒が当たることで砂や土が跳ね飛ばされ、その分だけ地表が削られると考えられてきたのです。
一方で、衝突後の雨粒がどのように振る舞うのかについては、ほとんど詳しく調べられてきませんでした。
雨粒は小さく、動きが速く、自然環境では観察が難しいためです。
そのような背景にあって、今回の研究が始まったきっかけは、スイスの斜面での偶然の野外観察にありました。
雨の中を歩いていた研究者たちは、斜面を小さな球状の塊が転がり落ちていく様子に気づきます。
それは水滴のようでありながら砂に覆われ、まるで小さな雪玉のように見えました。
この不思議な現象を確かめるため、研究チームは実験室での再現実験に取り組んだのです。
実験では、長さ約1.2メートルの砂床を用意し、乾いたシリカ砂を敷き詰めた上で、約30度の傾斜をつけました。
その上から一定条件の水滴を落とし、高速度カメラで水滴の動きや形の変化を詳しく記録。
このように条件を厳密に管理することで、雨粒が斜面を転がる過程と、砂を取り込んでいく様子を定量的に測定できるようにしたのです。
その結果、雨粒は衝突後に斜面を転がりながら砂粒を次々と取り込み、研究チームが「サンドボール」と名付けた塊へと成長することが分かりました。(画像や動画はこちら)
このサンドボールの形成によって、1つの雨粒が移動させる土壌量は、衝突時のスプラッシュだけの場合と比べて最大で約10倍に増えることが示されました。
ただし、サンドボールは一様な存在ではありません。
その形や振る舞いにはいくつかのパターンがあり、侵食への影響の仕方も異なるのです。
より詳しい結果については、次項で確認しましょう。


























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